1月〜3月のシクラメンの育て方
シクラメンが一番売られるのは11月〜12月ですよね。ホームセンターや園芸店にはたくさん置いてあると思います。つぼみがたくさんついているはずです。この時期に購入したシクラメンは、1月になると綺麗に花を咲かせます。つぼみが一斉に開き、まさに花盛りですね、それと同時に、新しいつぼみがたくさん生育してきます。2月になっても咲き続け、まだまだ新しいつぼみもできます。この時期に咲かなくなったり花数が少ないのは、手入れに問題があります。きちんと手入れをすれば、3月には回復して再び咲きます。
購入したシクラメンよりは多少遅くて、1月中旬頃から咲き始めます。2月が最盛期で一番綺麗ですね。3月に入っても咲き続けます。
そんな風に綺麗に咲き誇っているシクラメンですが、手入れのポイントは、置き場、水やり、施肥、保温、湿度保持、花がら摘み、枯れ葉取り、病気と害虫です。それぞれ順に見ていきましょう。
置く場所
十分日光が当たる場所
1月〜3月の置き場は、基本的には、日当たりの良い場所です。冬の寒い時期なので、シクラメンも暖かいところが好きなんですね。日が当たる場所と言えばたいがい窓際ですが、窓際に置くとなると、夜間や明け方の最低気温に注意が必要です。窓際はやっぱり寒いですよね。場合によっては保温が必要になります。
注意
どんな植物でも光が当たる側がどんどん育ちます。そして日の当たる方へ向かって伸びていきますよね。時々鉢の向きを変えないと不均一に育ってしまいますよ。
水やり
土が乾いたらあげる
土の表面が乾いたらたっぷり水をあげます。鉢底から流れ出すぐらいたっぷりでよいです。1月から3月はまだ冬なので水はいらないような先入観があるかもしれませんが、土が乾いたら水やりが必要なのです。ポイントは、土が乾いていない時は水をあげないことです。これは守ってくださいね。
ということは、2日おきとか、毎朝とか、定期的に水をあげるようなスケジュールにはならないはずです。晴れの日、雨の日、それぞれ乾き方が違うのだし、場所によっても乾き方が違いますよね。あくまで土の乾き具合を見て水をあげましょう。
注意
水を与える時に球根をぬらしてはいけません。球根ではなく、鉢土に水を与えてください。球根が長い間濡れたままだとボトリチス病などの病気になりやすいです。勢いで球根までジャブジャブ濡らしてしまわないでください。
シクラメンは乾くと休眠し、つぼみの発育が遅れます。休眠すると、後になって花がとぎれたり花数が少なくなるので土の乾きすぎには注意が必要です。
それから、鉢皿に水を残さないようにしましょう。これは水の与えすぎになります。
肥料
追肥が必要
1月から3月、花盛りのシクラメンは春までどんどん新しいつぼみができ花が咲き続けます。となれば栄養補給が必要ですね。追肥しましょう。肥料の使用頻度や使用量は、肥料によって様々なので、使っている肥料の使用方法を守りましょう。時々、自分の感覚で適当に肥料をあげる人がいますが、あまりよくないです。ラベルをよく読んで、薬じゃないけど、用法・用量を守って使うのが一番効果があっていいのです。
注意
肥料が多すぎると草丈ばかりが伸び過ぎてしまい、見た目が悪くなることがあります。生育状態を確認しながら肥料の量と頻度を調整します。
おすすめの肥料
園芸用の肥料であればどんなものでも普通は大丈夫ですが、シクラメン用と名前が付いていれば何も心配することもなく楽です。いくつか紹介しておきます。
![]() 「底面給水の活力液」 プロも使用する本格活力液。 |
![]() 「ハイポネックス」 根を丈夫にするカリを多く含み シクラメンに適しています。 |
保温
適温を保つ
冬のシクラメンは暑すぎても寒すぎてもよく育ちません。何事もそうですけれど、適度さが必要なんです。具体的には、1日の最低温度は7度ぐらいを保つ必要があります。これより低いとせっかく咲き乱れている花が途切れることが多いです。日中は暖かくても、夜間と朝方は意外と気温が低いので注意してください。
保温する
最低7度を保てる場所では特に保温の必要はありません。これ以下になるような場所に置くのであれば保温をした方がベターですね。低温でも枯れたりはしませんが、花が咲かなくなります。枯れなくても花が咲かなくては悲しいばかりですよね。
一番簡単な保温の方法は、発泡スチロールの箱をかぶせることです。発泡スチロールは断熱材なので、保温には最適です。ちなみに、保冷にも最適なのはご存じの通りだと思います。つまり、暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たく、温度を一定に保つ力が発泡スチロールにはあるんです。さらに、保温効果だけではなく、保湿効果もあります。
発泡スチロール箱がない場合は、段ボール箱などでも良いです。ついでに、箱に入れる際、鉢を含むシクラメン全体をビニール袋でくるむとさらに保温・保湿効果が高まります。何を使うにせよ、朝になり気温が上がり始めたら箱から出して、新鮮な空気と日光をあげてください。
湿度保持
乾燥させない
シクラメンを栽培していてよくあることではないでようか?
- 購入したとき咲いていた花が終わったら、もうそれ以上咲いてこない。
- つぼみが干からびて黒くなり、ひじきのようになってしまう。
- 葉が黄色くなり枯れていく。
こういう場合、乾燥しすぎが主な原因です。肥料切れもあります。日本の冬は乾燥しますし、暖房を使えばさらに乾燥は高まります。こういう空気では、人間の手がカサカサになるように、葉、花、つびみなどの水分が奪われて乾いてしまいます。ですので、土への水やりとは別に、保湿を考えなければなりません。
湿度を保つ方法
一番簡単で効果的なのは、保温の所でちょっと説明しましたが、ビニール袋をかぶる方法です。夜の間だけかぶせて、朝になったら取り除けばオッケーです。保温のところで説明したように、箱を使って保温と保湿を同時に行うことができます。
袋に入れるのは実は結構面倒だったりします。いちいち入れたり出したり、できればしたくないですよね。そういう場合、昼間の暖かいときに、霧吹きで葉や花に水を吹きかけるのも良い方法です。あまり冷たい水ではなく、多少お湯を加えて、15度ぐらいの水温すると優しいですよ。
それから、葉についた細かなホコリなどは乾燥を促進します。人の手が汚れていると乾燥するのと同じです。暇なときに柔らかい布などで葉をふいてあげると保湿に役立ちます。そういう愛情をかけるとなぜかシクラメンに限らず植物は生き生きと育ちますよね。不思議です。
最近は加湿器なども普及しているのでそれを使うのも良いと思います。人間の風邪予防にも良いですしね。
花がら摘み
花がら摘みの目的
花が咲き終わってそのままにしておくと、自然に交雑しタネが育ちます。シクラメンのように長い間咲き続ける植物は、タネができると次第につぼみの発生や開花が鈍くなり、やがて休眠してしまいます。そういうわけで、咲き終わった花を残しておくのは良くないんです。咲き終わったら一つずつ花がら摘みをしましょう。
ポイント
花が完全に枯れていなくても古くなったら摘んでください。他の植物の花の場合、花が枯れたから行うことが多いですが、シクラメンはそれより早めにする感じですね。もったいない感じがするかもしれませんが、この時期じゃんじゃん咲いてきますので思い切ってください。
花がら摘みの方法は、花梗を軽くはさんで持ち、少しねじりながら上に引き抜きます。こうすると、花梗は付け根から簡単に抜けます。花梗をねじる動作と引き抜く動作を同時に行うとうまくいきます。ちなみに、花梗というのは花がくっついている茎みたいな部分のことです。
注意
花梗は必ず根本から取り除いてください。途中でちぎれたりした花梗をそのまま残しておいてはダメですよ。そこから病気が入ることがあるからです。抜くのに失敗したら、残りの花梗をもう一度同じ方法で引き抜けば大丈夫です。
枯れ葉取り
病気と害虫
予防がメイン
1月〜2月には通常病気も害虫もほとんど発生しません。予防のためであれば、月1回ぐらい殺虫剤と殺菌剤を混ぜて散布すれば十分です。殺虫剤はMEP剤、アセフェート剤などが良いですね。殺菌剤はベノミル剤、マンネブ剤などを使います。
3月は注意
3月になり暖かくなると病気や害虫の発生します。やっぱり病原菌や害虫も暖かくなれば元気になるんですね。灰色のカビのようなものがついていたらボトリチス病(灰色カビ病)です。咲いている花には斑点状につきます。葉、つぼみ、花など、どこにでも発生します。これはマンネブ剤かベノミル剤を散布して対処します。
おすすめの殺虫剤・殺菌剤
こういったものがあります。参考にしてください。![]() |
「スミチオンスプレー(MEP剤)」 特にケムシ、アブラムシ類に効果があります。手軽です。 |
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「オルトラン(アセフェート剤)」 各種害虫(アブラムシ、ツツジグンバイ、アオムシ等)に。 |
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「ベンレート水和剤(ベノミル剤)」 うどんこ病や灰色かび病などのかび性の病気に。 |